AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する





大好きだった父の最後の記憶は 大きな背中と そこから放射状に散る 緋い 緋い・・・



「うぁあぁあぁぁぁぁぁあああぁぁあっ!!!」

大きく 大きく声を上げ もがく。

体にまとわりつく何かを引き離し ただ ただ大きく。



真っ暗だった中に突如光がさす。

いきなり響いた大きな音に 驚いて短く息を吸った。

四角い光の只中に大きな影があった。

それは あのときの “アレ” のようで。

しっかりと耳をふさぐ 何も聞こえないように。

目はそらすことさえ出来ず 大きく見開いたまま。

影が少し大きくなる。

びくりと 体が震えた。


怖い。

来ないで・・・!!!


影が動きを止める。

そして そのまま光の中へと去っていった。



どれくらいの間 そのままでいただろうか。

少しずつ頭がはっきりしてくる。

とりあえず 外の様子を見てみることにした。



そっと外を見る。

部屋の真ん中に置かれた机に向かい 男が一人 腰掛けていた。

かすかに鳴った衣擦れの音に 男がこちらを振り返る。

驚いてもう一度隠れようとした。

「ちょっと待った。」

男がこちらに向かって声を発する。

思ったより高い声だ。

それに 年もまだ20にもなっていなさそうだった。

「別に何もしないよ だから でておいで」

そういいつつ両手を挙げて人懐っこそうな笑みを浮かべる。

まだ安心は出来ないが そんなに悪い奴でもなさそうだ。

警戒しつつも少しだけ外に出てみる。

「・・・・・・・」

男がおいでおいでというように手を振っている。

もう少しだけ近寄ってみた。

おもむろに男が立ち上がる。

驚いて 少し後ろに飛びのくと唸り声を上げた。

男はたいした反応もなくそのまま背を向けて何処かへ行ってしまった。



しばらくして男が戻ってきた。

手の中に 何か湯気の出る入れ物を持っている。

警戒しているのを見て 軽くため息をつくと目の前で一口飲んで見せ

「ほら 何も入ってないから ね。」

とにっこり笑ってもう一度差し出してくる。

それでも何がおこるかわからない。

男がことりと音を立てて入れ物を机の上に置き少し離れる。

こいつは 一体何を考えているんだろうか・・・?

とりあえず 男が何もしないようだったので入れ物を手にとってみる。

中には白い液体がたっぷりと入っていた。

ゆっくりとカップに口をつける。

男がじっとこちらを見つめている。

とりあえず一口だけ と思い口を付けてみる。

こくり。 ・・・・・ごくごくごくごくごくごくごくごく

一口のつもりが つい一気に飲み干してしまった。

お腹も空いていたし 美味しかったのだから仕方がない。

「・・・ぷっ・・・」

軽く息を吐いて口を離したのを見て 男がふきだした。

何が可笑しいのかよくわからず 男の顔を見返す。

「・・・・・・・・ 煤I!」

そこに来てつい警戒を解いていてしまったことに思い至り 急いで唸り声を上げる。


男はというと

それを見て 凄 く 笑っている。


どうやら悪い奴ではないようだが 凄く失礼な奴だ という事だけはよくわかった。

男にむかって空になった入れ物を突き出す。

「・・・・」

「・・・・」

無言で見つめあうことしばし。

男は不思議そうな顔でこちらを見つめている。

「・・・もしかして おかわり?」

こくりと 大きく頷いてみせる。

「くっ・・・ ああ わかったよ。 まだあるから好きなだけ飲みな?」

男は小さく笑いながらも入れ物を受け取るとまた何処かへと去っていた。

人の動作を見ていちいち笑うとは まったくもって失礼な奴だ。

男が居なくなるのを見送ってから辺りを見回す。

見たこともない造りだ。

「名前は?」

男が突然話しかけてくる。

振り返った先には枠の中からこちらに向いた男の姿。

あんなところに居たのかと少し驚いて男を見返す。

「な・ま・え。 お前 名前は?」

いかにも可笑しいといった顔でもう一度聞き返してくる。

失敬な奴だと思ったので 言い返してやった。

「他人に名前を尋ねるときは まずは自分から名乗るべきだ。」

軽く胸を張り えらそうに言ってみる。

「俺はマタチ。 それで お前は?」

男は苦笑しつつも名乗ると もう一度聞き返してきた。

その名前を軽く頭の中で反芻してから 俺も 短く答えた。


「蒼」










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