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神よ。御恵みによって、私に情けをかけ、
あなたの豊かなあわれみによって、私のそむきの罪をぬぐいさってください。
どうか私の咎を、私から全く洗い去り、私の罪から、私をきよめてください。
まことに、私は自分のそむきの罪を知っています。
私の罪は、いつも私の目の前にあります。
私はあなたに、ただあなたに、
罪を犯し、あなたの御目に悪であることを行いました。
(詩篇51−1〜49)




† 原罪 †






見下ろす先に転がるのは赤い血をとめどなく流す自分の体、

否、

自分の体を代用していた、入れ物。


「なんじゃ、またやったのか」

後ろからまだ若い男の声がした。


その声に振り向く事もなく、

ただ、目の前に転がる物を見下ろす。


「治すのも、大変なんじゃぞ?」

やれやれといったように

いまだ血を流し続けるそれを服が汚れる事も気にせず男が抱えあげる。

男にはいま自分の姿は見えてはいない。

だが、知っているのだ。

僕が死なないという事を。

・・・死ぬ事が、できないという事を。


何度手首をかききろうとも、

何度切り裂こうとも、

それは、一定の血を流すとともに

僕をそこからはじき出す。



もしかしたらもう死んでいるのかもしれない。



でも、僕はまだここにいる。


消えてはいない。

消える事はできない。



ただただ恐れる。

君という存在がいなくなることに。


最初は、こんな事になるなんて考えてもいなかった。


ただ、君が疎ましくて。



そして僕はまた飽く事無く同じ事を繰り返す。








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